つい先日、北九州小倉北区にある霧ヶ丘モーツァルトホール(清原邸)にお邪魔しました。
青いドーム屋根の音楽ホールと、切妻屋根の住居部分が合体した清原邸。平成10年には北九州市建築文化賞を受賞している建築です。
そのモーツァルトホールにいらっしゃいますこのモーツァルト少年像。
150年前のフランスで制作されたものとのことですが、弓は手元から折れ、弦はちょっと曲がったりくねったりが目立つ状態。
モーツァルト少年と折れた弓 |
弦 |
というわけで修理のご依頼ですので、
本物のヴァイオリンを参考にしながら弦と弓を制作しました。
元々張ってあった弦は4本とも同じ太さ、
そして0.8とちょっと太め。
なので本物と同じ太さで張り直そうとしましたが
ヴァイオリンの一番細い弦は0.3mm。
0.3mmの銅線はテンションかけるとすぐ切れるので諦め、
細い方から0.45=0.45>0.55>0.7mmで張り直しました。
元々のペグに、巻きつけた銅線同士をはんだ付け |
ヴァイオリンの弦ってギターと違うんですね。ペグと弦の順番が面白い
弓の先 |
弓の持ち手部分 |
馬の毛をタガネ彫りで表現 |
弓は真鍮棒(元の弓も真鍮でした)を鍛造&先と持ち手を削り出してロウ付け。
元々の折れた弓には、弦と同じ銅線が4本付いていましたが、
本物の弓には馬の毛が使われていて、帯のように平らに接着されています。ワイヤーではその形が表現できないと思いましたので、1.2mm厚のフラットバーを作り、そこにタガネで毛の模様を彫ってみました。
この、毛の表現はなかなかよくできたと思っています
それと今回真鍮を黒染めする必要が生じたので、東美科学のブラッキーCという薬液を初めて使ってみました。ぬるい水(20~30℃くらい)に4倍くらいで薄めて浸けておくだけで真っ黒になります。スポンジやクレンザーでこすっていい感じに落とせば、アンティーク仕上げの出来上がりです。おすすめです。
ご依頼ありがとうございました。
依頼主の清原先生と |
久しぶりに弓が持ててよかったですね |
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