アトリエ金属蛙: 真鍮製引き手制作プロセスの紹介

2013/04/08

真鍮製引き手制作プロセスの紹介

今回のご注文は、テーブルの引き手。福岡県遠賀郡の柴山家具製作さんより。お得意様です
▲この写真の、天板のちょうど真ん中に位置している引き出しの、引き手。写真では木で試作をなさっているようです。


さて、制作過程。

▼厚みが8mm、幅15mmの真鍮フラットバーから、長さ80mm切り出したもの。
これを加工していきます
まったくの素材の段階は写真を取り損ねたので、すでに少し面取りしています。

まずは引き手の下面、手掛けになる部分をグラインダーで削ります。
削りの深さは手加減です。
手はしっかりかからなければいけませんが、あまり深く削り過ぎるとあとで開けるネジ穴に干渉してしまうので、浅すぎず深すぎず・・・。
グラインダーののち、紙やすりで切削面を整えたら、
全ネジを差すための穴を開けます。


▼それから、タップを立てます。
タップとは雌ねじを切るための道具です。
グラインダーとタップの順序はどちらでもいいと思うのですが、
どっちが失敗しやすいかという問題で、作業順序が選べるなら失敗するかもしれない作業をうちは先にやります。
だって仕上げ間近になって失敗するのいやですもん。。。

そうしてすべて形になったら、表面を整えます。
▼#60の紙やすり
▼#400の紙やすり
だいたいツヤ消し仕上げの場合、#400まで磨きます。
ツヤありだったら#800くらいかなぁ。まだ頼まれたことありませんが
鏡面、だったら、そりゃあもう・・・。ちょっと勘弁してほしいですが。。。

磨きが終わったら、シンナーで油分を拭き取ってからラッカースプレーでコーティングします。

ラッカーが乾くのを待つ間に、
引き手を家具に取り付けるための全ネジを切り出します。
全ネジ今回はM3、ステンです。
糸ノコで切ります。#0を使いました。
うちは真鍮でもステンでも大概の物は#0でやってしまいます。
番手は細かく分かれていて、それぞれに使い勝手があるようですがね。
切れればいいんです。

ネジ穴に瞬間接着剤を流して、全ネジ突っ込んで、ハイ、完成。
うしろにある治具は、ネジの垂直を出すためのものです。
接着剤が乾いて、垂直が整ったら、出荷です。



今回は納期が一週間しかなかったこともあり、もしもの事態が怖かったので、2個同時に作りました。というわけで在庫がひとつできました。笑



製品を取り付けた家具の完成形も、写真に撮って送ってもらうやくそくですので、お楽しみに。もちろんうちがいちばん楽しみにしてますが。。

さて次は香合入れですね。今週動かねばー。もう材料は揃っているので、こちらも楽しみです♪

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